来年は小学校一年生。
就学相談を受けているのに、このタイミングで転勤になったら、どうしたらいいの?
わが家は、就学相談を受けながら3月末に引越しをしました。
この記事では、そのリアルな体験談をご紹介します。
結論
引越し先でもう一度、就学相談を受けなおさないといけない
ただし、引越し前の情報は引き継がれるので、より多くの情報から結論が導かれると考えれば、無駄ではないと思います。
一番大変だったこと
基本的に就学相談は「対面」で行われるため、引越す前から、引越し先の就学相談がある日に、子どもと一緒に、何度も足を運ばなければならないことです。(しかも引越しの準備・年度末の業務の引継ぎなどで大変な時期と重なる)
最後は子どもが疲れて、診断結果が重くなってしまいました(付帯事項がついた)
就学相談を二度受けるメリット
就学相談を二度受けるメリットを強いてあげるなら、「引越し前に支援学級の進学先に目途が立っていたら、対象の支援が備わっている小学校の学区内に住居を探すことができる」という点です。
支援体制は自治体によって異なります。全ての小学校に、支援学級が備わっているわけではありません。
例えば、「通級」、「ことばの教室」、「きこえの教室」が、マンモス校にしかない場合、マンモス校周辺の小学校に在籍する子は、教室開校日にそちらへ通わなければなりません。
その場合は、在籍校から親が送り迎えをしなければならず、入学後に負担が大きくなります。
在籍校から支援学級に通う場合
私の子どもは「社会性」が苦手と判断され、普段は通常学級に在籍していますが、週一回4限(登校~給食)を「通級(通級指導教室)」に通っています。
しかし、他校の場合は大変で、給食後~午後の授業が始まる13時30分までに、親が在籍校まで連れていくことになっています。
親・子どもの負担を考えると、始めから、対象の支援が備わっている学校に在籍している方がメリットが大きいでしょう。引越し前の自治体での結果そのまま引越し先の進学先になるわけではありませんが、可能性は高いでしょうから、住居探しに「学区」を確認することをお勧めします。
年長の時に受けた就学相談 スケジュール
就学相談を受けるきっかけは、通っている保育園の先生から声をかけられたのが始まりでした。
9月上旬 保育面談(親・保育士)
子どもが午睡中に面談を設けてもらいました。
以上のことから、区の就学相談へ電話予約をおすすめします、ということでした。
10月上旬 就学相談 面談(親・専門員)
区の就学相談へ電話予約し、まずは親と専門員(2人)と面談しました。
この時点で、私たち夫婦は小学校の進路について通常学級以外の知識が全くなく、支援学級に対しても、お互いの意見が割れていました。これでは子どもにとって最善の選択をすることが難しいと考えたので、お互いが持つ疑問を晴らすために、最初は夫婦そろって面談に行きました。
就学相談を続けるか否か、保育園への情報収集、小学校への情報提供などの承諾書にサインをして、次回の予約をとります。
※早いうちに夫婦2人で、専門員と相談できたことは、とてもよかったと感じています。
自分の子どものことになると、反射的に「支援学級」を拒否しがちです。「子どもを成長させるための最適な場」を冷静に探るためには、第三者(専門員)を交えた夫婦の意識をすり合わせる機会を早めにもつことが重要です。
この日以降の就学相談は母親だけで参加しますが、家庭内でも、支援学級について「共通の認識」で、進学先を話し合うことができました。
10月中旬 就学相談 行動観察(親・子・専門員)
親は用紙に子どもの生後から現在までの様子を記入している間、子どもと専門員だけでコミュニケーションを取りつつ行動観察(田中ビネー知能検査V)をします。
専門員からも発語について指摘されたので、就学相談とは別の科である「ことばの相談室」に連絡をとることをすすめられました。
10月下旬 ことばの相談室(子・言語聴覚士)
「ことばの相談室」とは、「ことばが遅い」・「文で話すのが苦手」・「理解しているのに話さない」・「不明瞭で何を言っているのかわからない」など、ことばに関する発達の不安を相談できる場所です。
言語聴覚士の方が、さまざま問答をくり返し、苦手なことば・口の動きなどを問題と原因・対策をさぐります。
11月中旬 就学相談 集団観察(子・専門員・医師)
就学相談を受けている子たちが一堂に集まり、集団での行動観察が行われます。親は終わるまで別室で待機するので、何が行われたかは知ることができません。後で子どもに聞くと、絵を描いたりしたそうですが、その絵を親がみることはありません。
自信がなく、失敗を怖がるために、緊張してチックが出ているよう。初めてすることがとても苦手で、なかなか行動にうつせない。そのため、できることを認めて自信をつけさせること、スモールステップで成長を認めてあげるように指摘をうけました。
11月下旬 就学相談(親・専門員)
これまで個別・集団での行動観察、保育園への聞き取り・見学から見えてきた子どもの特徴、そして進学先について話し合いました。
学習面よりも、人や集団でのかかわりの中に課題があるようなので、通常学級に籍を置きながら、週一回の支援学級にかよう(通級)がよいのではないか、ということになりました。
最終的な判断は、12月中旬に行われる教育委員会で行われるので、それまで待機となります。
12月中旬 就学先の結果発表(電話連絡・後日書類郵送)
11月下旬での話し合いのとおり、通常学級に在籍しながら支援学級に通う結果になりました。
しかし、この頃、転勤となることが分かりました。幸い、以前住んだことがある地域だったので、土地勘があり住居探しがスムーズに進みました。
転居先の地域・居住地・小学校を確定し、早急に転居先の就学相談センターに連絡をとるよう指示されます。
1月中旬 転居先の就学相談(親・専門員)
転居先の地域が決まったら、転居先の就学相談センターに電話で問い合わせをします。
まずは親と専門員だけで、これまでの就学相談の結果とどのような支援が必要なのかなどを伝えます。
そして転居先の就学相談のスケジュールを確認したりしました。
※田中ビネー知能検査Vの診断結果や、これまでの面談でのメモを持参したので、具体的な話ができました。
1月下旬 通級の見学(親)
転居先の支援教室の見学に行きました。これは親が直接学校に見学の申込をします。
実際の授業の様子を見学させてもらった後に、先生に心配事を相談させてもらいました。私が見学したときは8人の生徒がおり、先生の問いかけに臆せず、よく答えていました。この子たちは通常学級に戻っても、授業中に質問しているのかを聞いたところ、30人近くいる教室では、やはり発言は少なくなるようです。
支援教室は最大8~10人程度の少人数制なので、子どもたちが通常学級より自然体で過ごせるのかもしれません。見学で得られたこの情報が、私が支援教室を前向きに受け入れることができた一番の理由です。
2月上旬 就学相談 集団観察・面談(親・子・専門員・医師・小学校の校長先生)
転居前の就学相談では病院での診断書は必須ではありませんでしたが、転居先では就学相談を受けるのなら受診は必須とのことでした。しかし、病院での発達検査は常に予約がいっぱいで、すぐに受けることができません。その事情は就学支援センターでもご存じのようで、集団観察と同日に医師との面談があり、これをもって診断書は免除となりました。
また、小学校の校長先生との面談があるのも、転居先の就学相談が初めてでした。
3月中旬 就学先の結果発表(電話連絡・後日書類郵送)
2月上旬に行われた就学相談は、転居前の居住地から通わなければならなかったので、会場に着いた時にはすでに子どもは疲れていました。それなのに、集団観察・医師面談・校長面談と長丁場だったので、とても疲れたと今でも言います。
転居先の教育委員会で決定された就学先は、転居前と同じく「通常学級に在籍しながら支援学級に通う」でしたが、さらに「発達の症状がより重い可能性があり、その場合は支援学校が適切となるだろう」という付帯事項がつきました。これは、とくに、自画像で首から上しか描くことができなかったことが問題視されたようです。
【体験談】就学相談をしているのに転勤になった場合 まとめ
就学相談をしているのに転勤になった場合は、引越し先でもう一度、就学相談を受けなおさないといけません。
引越しの準備をしながら、二度目の就学相談はとても大変ですが、通常学級以外の進学先は、すべての小学校にあるわけではないので、居住地を、支援が充実した小学校の学区に移すことができるメリットもあります。
子どもの成長にとって最適な進学先を相談できる「就学相談」を受けたこと、またそれについて夫婦でしっかりと考えることができたことは、とても良かったと思っています。
現在、子どもは、通常学級に在籍しながら支援学級に週一回午前中を過ごしています。
支援学級では、運動や工作をとおして「体の使い方」を知り、少人数制ならではの「参加型授業」を受けています。そこには他のクラスや他校の生徒がいます。担任の先生だけでなく、支援学級の先生たちが、我が子の成長を見守ってくれています。子どもは、不器用ながらも、よく頑張って組んでいます。
我が子の小学校生活が楽しいものとなることを、願ってやみません。
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