【小学校入学準備】就学相談=子どもにとって過ごしやすい・学びやすい環境を整えること

こどもと学校

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

就学相談とは何?

成長や発達、学習面での心配がある子どもの就学先を相談・決定していく場を就学相談といいます。

この記事では、就学相談の内容や流れ、就学相談を受けるメリットについて解説をします。

子どもが成長しやすい就学先はどこ?

就学相談とは、主に小学校に就学する前年度に行われます。

発達の気になる子どもが、①通常学級に在籍するのか、②通常学級に在籍して通級指導を受けるのか、③特別支援学級か、④特別支援学校か、といったいくつかの選択肢の中から、子どもにとってどこに在籍することがもっとも力を伸ばすことのできる選択となるのかを複数回にわたって相談します。

おもな就学先は4つ

1.通級(通級指導教室)

通常の学級に在籍しながら比較的障害の程度が軽い子どもが、その子に合った個別の指導を受けられる学級です。主な学習は通常級で受け、通級の時間だけ移動して指導を受けます。

通級の就学基準

通級の支援対象となる障害の程度は、通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度とされています。

2.特別支援学級

特別支援学級とは、障がいのある子ども一人ひとりに応じた教育を行うため、障害種別ごとに編成された8人以下の学級をいいます。それぞれの障がいに特化した教育をしてくれます。

特別支援学級に在籍しながら、臨時的に「交流及び共同学習」として通常級へ参加することが可能です。

通級の就学基準

言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害、注意欠陥多動性障害などで、少人数教育で個別に指導を必要とする子どもが対象です。

3.特別支援学校

特別支援学校とは、心身に障害のある児童が通う学校です。

特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加えて特別支援学校の教員免許を持っています。
原則、医療的ケアは看護師などが行うことですが、一定の条件下で、特別支援学校において教員がたんの吸引、経管栄養(胃ろう・腸ろう)、自己導尿の補助を行うことができます。

4.通常学級

通常学級では、通級、支援学級よりクラスの人数が多く、さまざまな子どもと触れ合うことができます。しかし一方で、個々の把握に限界があるため、周りと同じスピードで生活や学習することが難しくなる場合があります。通常学級を担当する教員のほとんどは障害児教育についてあまり理解しておらず、適切な時に、適切な理解とサポートを受けられない可能性があります。

就学相談の進め方

就学相談は複数回行われる

専門員と面談、専門員による行動観察、集団観察、保育園での様子、医師観察を経て、子どもと保護者の希望を考慮しつつ最終的に教育委員会によって就学先が決定します。

個別の支援計画や就学先は、就学後も状況にあわせて変更することができる

就学先は「固定」されるものではなく、就学後も、専門員と保護者、担任の先生と子どもの適切な進路について、定期的に面談が行われます。

就学相談を受けることのメリット

・子どもの力を伸ばすために最適な場所を、複数の視点で検討できる

就学相談は、保護者、保育園の先生、発達の専門員、医師などの複数の視点から意見が出されます。保護者にとっては、子どもの得意なところ、苦手なところを客観的に理解する良い機会となると言えるでしょう。

・適切な支援を受けることができる

就学相談を受けたことは、通常学級に行くことになったとしても、就学先に通知されるので、担任の先生に子どもの特徴を伝えることができます。

また就学後も、定期的に面談が行われ、個々にあわせた指導内容を作成して成長を促していくことができることは、大きなメリットです。

・二次障がいなどの問題が発生するリスクの減少につながる

早めに支援することで、障がいによる「苦手」から自信をなくしたり、他人とコミュニケーションを取りにくくなるなどの「二次障がい」を発生させるリスクは少なくなるでしょう。学校生活が楽しいものとなるように、必要な支援を得られる場所を選択することが重要です。

就学相談員が観ているところ(資料)

下記は東京都特別支援教育推進室が用意した、就学相談時に用いる資料です。

「具体的に子どものどのような部分を見られるんだろう」と気になる方は、参考の一つとして目を通してみても良いかもしれません。

就学相談・転学相談等様式集|東京都特別支援教育推進室

発達検査・知能検査はどのようなことをする?

支援計画を立てるために行われる検査です。

代表的なものに「WISC-Ⅳ 知能検査」や「田中ビネー知能検査V」があります。内容は「思考」「言語」「記憶」「数量」「知覚」などの問題で構成されています。

同時に子どもの表情、姿勢、集中の持続、筆記具の用い方、検査者への関わり方などの行動観察も行われます。

所要時間は60分ほどで、保護者は別室で待機します。

行動観察・集団観察ではどのようなことをする?

行動観察では、臨床心理士等の専門員が幼稚園・保育園に行き、子どもが集団の中でどのように過ごしているか、日常の様子を見ます。

集団観察では、就学相談を受けている子どもたちを集めて、集団の中で指示が通るかなどの様子を見ます。

就学相談にあたり準備するべきこと

・家族で話し合う

お父さんとお母さんの意見が異なることも多々あるでしょう。分からないことや先入観で進路を決めてしまうのではなく、しっかりと家族で話し合いましょう。

まずは、両親そろって就学相談に行き、疑問や不安をなくしていくことがおすすめです。

・子どもの情報を整理しておく

子どもによっては、すでに乳幼児健康診査や地域の支援センターなどで相談をされていることもあるでしょう。そこで出されている診断と、就学相談による結果と比較することで、より具体的な支援につながることが期待できます。

就学相談=子どもにとって過ごしやすい・学びやすい環境を整えること まとめ

就学相談は子どもが成長しやすい就学先について考える場所です。

そこでは様々な立場の専門家から意見をもらうことができるので、子どもについて客観的に理解することができます。

社会には、子どもを育てるための多くの支援があります。就学相談は、すべての子どもが平等に受けられる支援なのです。

複数回の面談は、ときに負担に感じることもあるでしょう。しかし、子どもの就学について少しでも不安や心配がある方は、ぜひ行動してみてはいかがでしょうか。

※就学相談は、お住まいの市区町村によってその方法や進め方が異なります。自治体のHPに情報がありますので、ご確認ください。

コメント